Monday 4 August 2014

プロテスタント・ボーイズ

アイルランドといっても、北アイルランドは英国領である。通貨はポンド、町も気のせいか粗々している。その北アイルランドのバンゴールという町に週末泊まった時だった。夕方からパレードが始まった。30-50人の鼓笛隊が、各々の衣装に身を包み横笛と太鼓で行進して来た。観光客には有難いが、「これって何のお祭り?」と地元の人に聞いても、「毎週やっているけど・・・特に何かある訳でもない」とつれない返事が返って来る。そんな訳ないだろうと、何人かに聞いて見たところ、どうやらボイン河の戦いを記念していることが分かってきた。

ボイン河の戦いは、1690年7月4日にダブリン郊外で起きたアイルランド軍(カソリック)とイングランド軍(プロテスタント)の戦いである。云わばアイルランド版の関ヶ原である。結果はイングランド軍が勝ち、以来アイルランドはイングランドの支配下に置かれることになった因縁に戦いだ。今日、アイルランドに英国領がある事と無関係ではない。

パレードの人々は自衛団のように、大人から子供まで険しい表情で行進している。太鼓にはプロテスタント・ボーイズと書かれており、村の家々はユニオンジャックを掲げている。300年以上前の事とはいえ、未だにアイルランドに住むイギリス人は、7月になるとこれを持ち出して威嚇しているのだろうか。パレスチナとイスラエルの宗教対立を思い出した。

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