Saturday 2 August 2014

タイタニックの救命男

アイルランドの観光を支えているのがタイタニック号である。ベルファーストを訪れると、2年前に新設された記念館が出来ていた。まるでディズニーランドのような仕掛けもあり、一大観光スポットである。
 
タイタニック号が出発したのは、南部のコーブ(Cobh)という港町だった。岸壁にはアメリカに最初に渡った親子の銅像や、当時の駅舎を使った展示館もあった。多くの移民が飢餓から逃れ旧英国領に旅立った。オーストラリアにも、男女比が8:1だった理由で女性のみが向かったという。タイタニックの乗船者も紹介されていて、まるでドラマのようだった。その中にダニエル・バックレイ(Daniel Buckley)という青年がいた。彼はタイタニックが沈没した際に、女子供に隠れて救命ボートに乗った男だった。

アメリカには無事着いたものの、第一次世界大戦に参加し、なんと終戦の前日にフランスで戦死したという。28歳だった。映画「タイタニック」でもローズの婚約者が救命ボートに乗って助かるが、そのホックリーという富豪も1929年の大恐慌で拳銃自殺している。こちらは47歳、人の運命は分からない。

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