Tuesday 12 August 2014

ルーツを辿る里帰り

アイルランドを旅していると、欧米の旅行者、それも年配の人達とよく一緒になる。地元も心得ていて、食事つきのパブなどでは「アメリカから来た人はハイ手を挙げて、カナダ・・・、NZ・・・」と聞いて廻る。すると見事にコモンウェルズが出来上がる仕掛けだ。ディングル半島で知り合ったカナダ人の老婦もそうだった。先祖の地を正にルーツを辿っているという。皮肉なもので、荒涼とした地を捨てて出て行った子孫が、人が住まなかったからこそ残された豊かな自然を求めてやって来る。ご先祖様はどう思っているのだろう。

アイルランドは移民大国である。1800年後半から何百万人が新天地を求めて出て行った。取り分けアメリカには多く、今では40百万人近くがアイリッシュ系という。大統領もケネディー始め、レーガン、クリントン、そしてオバマなど多くを輩出している。アイルランドの名前はO`で始まる名字が多いのでO`bamaが原点かと思ったが、これは違うらしい。

ノスタルジックツアーをするのは何もアイルランド系だけではない。テニス仲間のAさんもこの夏、思い出のフランスを再訪した。学生時代にバックパックで放浪し、訪れたワイン畑で一緒にブドウ狩りをした友人を訪ねた。お互い40年振りに親交を深め、昔を思い出し食事を共にしたという。サケではないが、人はルーツを求め生まれ育った川に戻る習性がある。

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