Sunday 5 May 2019

もう一人のラストエンペラー

毎日話題に事欠かないお隣の韓国、知っているようで分からない事ばかり、いつまで経っても近くて遠い国である。それにしても韓国人の怨念はどこから来るのか?日本人はそんなに悪かったのか?事実はどうだったのか?そんな気持ちもあって、丸善で新刊の「朝鮮最後の王 李垠(り・ぎん)」が目に留まったので買ってみた。サブタイトルは、「もう一人のラストエンペラー」である。日本人の皇族を妻にし、正に日韓併合の象徴として祭り上げられた人で、未だに謎に包まれた処が多い。

本は韓国人の先生が書いたせいか、伝統的な文化・仕来り・家系の件が多すぎ、途中から飽きて読み飛ばしてしまった。ただ伊藤博文を暗殺した安重根について、変な事を紹介していた。安重根は当時韓国統監だった伊藤をハルビン駅で狙撃し、今では韓国の英雄になっている。今どき、暗殺者を英雄扱いにするセンスもどうかと思うが、彼が書いた「伊藤博文の15条の罪状」は少し同情を誘う内容である。(伊藤は)王妃を殺害し、皇帝を廃位にし、陸軍や新聞を禁止にした・・・、殆どが尤もと思われた。ただその14条に「日本先帝を殺害した罪」があった。伊藤が先の天皇を殺害したとは一体どういう意味なのか?韓国人がそれを憤慨するのもよく分からないが、引っ掛る部分であった。

知らなかったが、李垠が日本の皇族の梨本宮方子と結婚して住んでいたのが、今の赤坂プリンスの旧館だったという。学生時代にダンスパーティーの会場で良く使われた場所が、日韓の歴史の舞台とは恐縮である。そう言えば、戦後の皇族解体で売りに出された不動産を買い占めたのが西武の堤さんだった。あの華麗なる一族では、家ばかりか娘までも安く買っていく姿が紹介されていた。その西武帝国も崩壊して今は昔である。李垠の本は3,4部が来年発売されるというので、後半が出たらまた読んでみようと思っている。

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