そうは言ってもスペインは食の宝庫、友人が楽しそうに語っていたサン・セバスティアンのバル巡り前評判通りだった。旧市街の狭い路地には、昼から営業しているバルが犇めいていた。フランスパンの上にオリーブ味の魚貝が乗ったピンチョスや、タパスと呼ばれる小皿料理も視覚的にも楽しかった。
特にそのピンチョスが美味しかったのが、ブルゴス(Burgos)というカスティーリャ時代の首都であった。偶然入ったバルがミシュランの星付きで、ムール貝やシャンピニオンのピンチョスやカニスープなど、それは美味かった。
またラ・マンチャ地方にバルデペナスというワインの集積地の町に泊まった時だった。広場のバルでビールを頼むと、イワシやサラミのピンチョスが付いて来た。暫くして常連客は、タップから注ぐワインを注文するのに気付いた。早速頼んでみるとそれはサングリア風で、お蔭でその軽いタッチがラ・マンチャの風景とセットになっている。
「ポルトガル料理は不味い」の先入観もあった。やはり干したタラを練ったコロッケはパサパサして、どうしてレモンを掛けないのか不思議だった。ただ土地柄魚貝はとても新鮮で、特にリスボンの魚市は素晴らしかった。
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