早いものでもう立冬である。東京にいると季節感に疎くなるが、信州は暦通りである。昨年はその立冬(11月7日)に浅間山の初冠雪があった。今年は3日早かったが、先人の季節感覚と暦の正確さに驚かされる。
寒い時には、何といても温泉に浸かるのが一番である。家から30分程山に登った処に小さな秘湯がある。勿論源泉かけ流しである。特に予定のない日には朝から入る。最初は冷え切った手足がピリピリとして痛いが、暫くすると慣れてくる。山の中の露天なので、熊でも出てきたらどうしようかと心配しながら・・・。温泉に入ると夜になっても身体が暖かい。
家の暖はもっぱら暖炉で取っている。前年に仕込んだ丸太を斧で割って込めている。新しい木だと空気が弾けてパチパチと危ないし、火の着きも良くない。今年は昨年近所から沢山貰ったストックがあるので何とか凌げるだろう。ただ来年の事を思うと、そろそろ仕込まなくてはならない。チェーンソーは事故も多いので用心しながらやるが、全て生存本能が源になっている。
温泉が外なら内から温めるのが一日を締める晩酌である。五臓六腑に染み込む熱燗はまた格別である。ただ(叱られるかも知れないが)長野の酒は遠藤酒造や真澄は別にして余り美味しくない。やはり兵庫、京都、新潟の方がいい。原酒は冷たいが、菊水酒造の「五郎八」の濁り酒は、誰もが季節を感じる人気酒である。直ぐに店頭から消えてしまう。
信州の人々は空気がいいから平均寿命は長い。ただ健康寿命は短いと言われる。何処に行くの車を使う為である。また普段山間部に住んでいるせいか、会話も至って単刀直入である。そんな気遣のない話し方に時々驚く事もある。ただこれも厳しい自然の中で生きる土地柄だと、段々分かって来た今日この頃なのである。

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