Tuesday, 5 May 2026

スパイと公安

日本にも日本人スパイがいた事を思い出し、佐々木譲の「帝国の弔砲」を読み直した。

物語は、満洲に渡った子供がロシアで教育を受け、ロシアのスパイとして日本に送り込まれる大作である。オークニー島の「座って待っていたスパイ」と同様、普段は普通の生活をしているが、ある時同志がやってきてそのベールを脱ぎ、要人暗殺を企てるのであった。

これを読んでから、近所で職業不詳の人を見ると、「ひょっとしてスパイじゃないか?」と思うようになった。

この話を千葉に住むM君にすると、彼も「近所にいつもカーテンが下がっている家がある」という。グーグルマップでもボカシが入っているから、ひょっとして北朝鮮か中国のスパイでは?と疑っていた。

そのスパイを取り締まるのが公安である。普段はあまりご縁がないが、意外な所でお目に掛った。

随分前になるが、国際会議で来日したフィリッピンの女性社長がいた。彼女を含め何人かの外国人を連れて東京駅で新幹線に乗ろうとした時だった。その人が突然姿を消した。後で分かったのは、公安に補導され職務質問を受けたのだった。派手な服装と水商売風の風貌がいけなかったのかも知れない。その時初めて「身近な所に公安っているんだ!」と知った。

佐々木譲氏の小説は警察モノが多いが、こうした海外を舞台にした作品はとても面白い。「エトロフ発緊急電」や「ベルリン飛行指令」「ストックフォルムの密使」など、随分と楽しませてもらった。

No comments: