Friday 15 February 2013

小さなベルルスコーニ

イタリアの総選挙が近づいている。ユーロ危機は一先ず去ったが、その存続はイタリア経済に掛かっているだけに気になる。予想では、前首相のモンティ路線が継承されると言われているが、スキャンダルで騒がれたベルルスコーニの復活が気になる。

イタリアは今更だがとても古い国だ。ホテルやレストランで料金を払おうとすると、殆どクレジットカードが使えない。税の徴収割合が他国に比べて低いのは、この現金主義が横行しているからだ。マフィアのアングラマネーも、それと無縁ではない。こうした古い体質を上手く使うのがベルルスコーニだ。彼が、特に田舎で人気が高いのはそのためだ。

今日の朝日新聞に、在日20年のイタリア人がこれを上手く表現していた。それは、イタリア人なら誰でも心の中に、おカネ、色、権力といった「小さなベルルスコーニ」を持っているというのだ。合理的なことがいいと分かっていても、甘い蜜には弱い国民性と言う意味もある。逆にその大らかさが、オペラや地中海の明るいイメージになっている部分もある。ドイツ人になれとは言わないが、せめて逆戻りはしないで欲しい。

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