Friday 23 August 2013

スカイ島とオーウェルの1984


スカイ島(Skye islands)は険しい山と海が織り成す美しい島であった。夏でこそ観光客が多いが、一体こんな寂しい島に人々は何をしているのだろう、そう思わせる処だった。

島を周遊していたらウィスキー蒸留所があった。タリスカー(Talisker)といってあまり馴染のない銘柄だった。湖畔にこじんまり建っていたが、中に入ると観光客でごった返していた。係の人が10年物と蒸留所スペシャルの2つを試飲させてくれた。島なのでアイラ島のようなスモーキーなものを想像したがそうではなかった。面白かったのはパネルに島で生きて行く男の条件が書いてあった。曰く、跳ね返す力、豊かな創造性、ユーモア、タフ、自信、忍耐、勤勉、そして運が必要だという。

それを聞いて思い出しのは、ジョージ・オーウェルの未来小説「1984」だった。戦争は平和(War is peace)や無知は力(Ignorance is strength)などの名文句を残し、近未来を予言した画期的な本だ。書かれたのは戦後間もない1947年、場所はやはりスコットランドの孤島だった。どうしてあのような小説が図書館もない場所から生まれるのか不思議だったが、ここにきて少し分かったような気になった。

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