Monday 2 March 2015

現実となる死

3人に1人が65歳以上の日本、寄ると健康と年金の話になる。身体のどこが悪いの、年金受給の開始は何時だの、何処に行っても話題は変わらない。人はいつか死ぬと分かっていても、その現実と一線を画して誰もが生きている。

そんなある日、70歳のWさんが健康診断に行った。Wさんは未だ半分現役で見た目も若々しい。特にゴルフの飛距離こそ落ちたものの、取り立てて目立った病気もない極めて恵まれた人だ。人生これからだと思っていたところ、医者の何気ない一言にハッとした。それは「貴方の身体は特に問題ありません。平均寿命位まで大丈夫でしょう」であった。男の平均寿命は80歳なので、「貴方はあと10年位でしょう」と死刑宣告された気がした。

勿論それは一般論だろうが、今まで意識していなかった死が現実のものになった瞬間だった。最近は戦時中の特攻のTV番組も多く、若い搭乗兵が特攻志願の〇印を付けた瞬間に初めて死を意識するという。人の命は有限である・・・誰もが分かっていてもいざ自分の事として受け入れると怖くなる。

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