Tuesday 29 March 2016

セントーサ島の蝋人形

A・マクリーンの「シンガポール脱出(原題:South By Java Head)」を読むと、当時の緊迫した雰囲気が伝わってくる。押し寄せる日本軍から逃れる話だ。真珠湾の奇襲から僅か2カ月でシンガポールは墜ち、英国軍のパーシバル中将に、山下中将が降伏を迫る。

それから4年後、今度は立場が逆転し日本軍が降伏した。その光景がセントーサ島に蝋人形で残されており、時間を隔て2つの部屋を見みると複雑な気持ちになる。シンガポールには、この他に日本陸軍が5000人の民間人をスパイ容疑で処刑した慰霊碑や、チャンギの刑務所、住宅地のトーチカ跡なども残っている。

小説では山田大尉という人物が登場する。作者のマクリーンは実際に大戦で日本軍の捕虜になったというので、強ち誇張ではないだろうが、やはり非情に描かれている。

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