Saturday 28 April 2018

ダモクレスの剣

昨日、板門店で南北朝鮮の首脳が会談し、金正恩が非核化を宣言した。平昌オリンピックを契機に急速に南北の融和が進んだようだが、会談の内容を真面に受け止める人は殆どいないのではないか?そもそも金正恩が核を手放す事なんて絶対ない。況やな半島の統一や民主化など、始まったら待っているのは国民による報復である。その末路は、イタリアのムッソリーニ、ルーマニアのチャウシスク、イラクのフセインと同じで、あっけない。そんな事を分かっていて、誰が権力を手放すのだろうか?

今回の流れは、国連の経済制裁が効いて来たのと、アメリカの攻撃タイムリミットが近づいているからである。いつ何時、ダモクレスの剣が天から降って来るかも知れない、そんな切迫感をして作り出されたパーフォーマンスに違いない。両者がこれから具体的な話に入れば、決裂するのは目に見えている。

そのダモクレス(Damocles)の剣(つるぎ)は、ギリシャ時代の逸話である。王に言われて王座に座った臣下のダモクレスは、見上げると髪の毛一本で吊るされた剣があった。それ知って、改めて王の気持ちを察する話である。舞台になったのは、シシリア島のシラクーサ(Siracusa)だ。そのシラクーサを、何年か前に島を一周した時に立ち寄ったが、まるで時間が止まったような古い町だった。裏路地に入ると、白いイスラム風の装束を着た男達が屯していて怖かった。何かアフリカの一角のような感じだった。

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