Sunday 1 April 2018

War Cry

昔、バルト海の街角でおばあさんに道を尋ねた事があった。英語で話しかけると、おばあさんは現地語しか分からないという。試しに仏語でやってみても駄目だったが、「ドイツ語だったら分かるけど!」と言うではないか。確かにその昔ドイツ騎士団が入植した土地だったので、その末裔かと改めて驚いた。

そんなヨーロッパ人の多様な生活の一端を紹介したのが、Wilbur Smith著「WAR CRY(お叫び)」である。昨年ドバイ空港で買った分厚い原書をやっと読み終えた。物語は第2次代戦前後、ケニヤに住む英国人の娘が主人公である。遠戚のドイツ貴族の若者とロマンスが芽生えるが、戦争に邪魔されてしまう。母親の前夫がドイツ人だった事が、二人の伏線になっている。

物語の前半は、その娘の生い立ちに充てられている。そのタッチは極めて女性的で、読んでいてどうでもいい話が多かった。ただジェフリー・アーチャーもそうだが、そのダラダラした件が後半のオチに繋がる事が多いので、ひたすら我慢した。しかし最後は娘の親が経営する船会社が金塊を運搬する話で、どんでん返しを期待していた読者としては正直ガッカリした。

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