10年程前だったか、ゼミ仲間と群馬の法師温泉に行った時の事だった。長寿館のレトロな風呂に浸かり休んでいると、玄関の方で何やら騒々しくなっていた。
見ると若いイギリス人男女が宿の主人と揉めている。どうやら石川県の(栗津温泉にある)法師旅館と間違えた事が分かった。その日は宿も満室で日も暮れていた。今から引き返して石川県まで行けるはずもなく、女性は遂に泣き出してしまった。その後どうなったのか、食事が始まったので分からないが、旅にはこの手の失敗が付き物である。
今回の旅も同じような事が起きた。宿は着いた町で探す習わしだ。その方が時間に縛られて焦ることがない。大体夕方5〜6時になるとホテル探しを始める。昔は片っ端から「空いてますか?」と聞き回ったが、最近はBooking.comで予約を取ってから行く。その方が先方もビックリしないし効率的である。何より何度か使うと割引が利くのが嬉しい。
ところが時々とんでもない事が起きる。巡礼で有名なサンチャゴでパン・アメリカ―ノというホテルを予約したが、いざ行こうとすると地図にそれらしき道がない。それもそのはず、よく読むとチリのサンチャゴだった。
トレド(Toledo)に行った時も、Toledo Amman Hotelというホテルを予約したが、暫くしてトレドの名前が入ったヨルダンのホテルだと分かった。慌てて別のホテルを取り直したが、素晴らしいのは(通常返金不可の処を)AIが判断して単純ミスには課金しない事であった。
見知らぬ土地での宿探しは、「泊まる宿がなかったらどうしよう!」といつもどきどきハラハラする。チェックイン出来た時には本当にホッとするが、このスリルがビールの味を一層美味しくしてくれる。
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