Thursday 15 October 2015

山本五十六の逸話

ジョン・トーランド(John Toland)の「大日本帝国の興亡(The Rising Sun)」は、45年前に出版された本だが、今読んでもとても面白い。例えば山本五十六の逸話である。彼は連合艦隊司令長官だったが、左指が2本なかったという。少尉で参加した日露海戦で負傷した。名前の五十六は親が56歳の時の子供から来た。

また当時の日本人をして、形而上学的な直観と動物的な本能が同居、優雅と残忍、正直と滑稽する因果の輪を持つと形容している。的を得た表現で感心した。そして刹那的に死を恐れない文化は、儒教から来たと云う。そういえば昔、人間は死んでも誰かにその魂が引き継がれると教えられたものだった。

其の他「政策あって原則なし」の文化をスーツケースと風呂敷に例えるなど、ルース・ベネディクトの「菊と刀」のような洞察があった。ただ、南京事件の犠牲者が20-30万人と書いていた事には、ちょっとガッカリしたが・・・。

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