Monday 11 December 2017

ジャーナリストの辺さん

TVの朝鮮報道で、しばしば登場するのがジャーナリストの辺真一さんである。分かり易い解説とフレッシュなネタ提供にはつい聞き入ってしまう。そんな氏の角川新書「大統領を殺す国、韓国」は中々いい本だった。歴代の韓国大統領の栄光と挫折を、TVと同じキレのいい洞察で纏めていた。つい時間も忘れて読み通してしまう一筆書きの快さがあった。

氏は在日の韓国人だから両国に通じている。そのため、韓国文化を日本人向けに通訳する才能に長けている。随所に「日本で言えばXXです・・」というフレーズは、映像をくっきり浮かび上がらせる力がある。例えば今の慰安婦を巡る件を、徳川家康の「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」と形容している。勿論それは日本の事だが、韓国も豊臣秀吉に準え「鳴かぬなら、鳴かしてみようホトトギス」と対比している。的を得た比喩で思わず笑ってしまう。誰かが「今の文在寅大統領は韓国の鳩山由紀夫だ」と称したピンポイントの感覚に似ている。

明快という点では、岡崎冬彦氏(ペンネームは長坂覚)の「隣の国で考えたこと」の中に引用した福田徳三氏もあった。氏は日韓の違いを、日本は封建制を経て近代化したが、韓国は両班の階級制度から飛躍したという。確かに形がないまま民主化すれば混乱するな!と思える所以である。その岡崎氏の本の中で柳周鉉著「小説 朝鮮総督府」も何度か出て来るので、これも取り寄せて読んでみた。韓国人の目で見た日韓併合史だが、伊藤博文から始まった統治の大変さを垣間見るのであった。

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