Monday 27 June 2011

ドイツのU-Boat

大分前になるが、ドイツ帰りのOさんと飲んでいた時に聞いたキールのU‐Boatの話がずっと気になっていた。というのは、先の2回の大戦に纏わる博物館は、その80%がフランスに集中しておりドイツには余りないからだ。
キール(Kiel)は現在は20万人程の北ドイツの都市だが、その昔はハンザ同盟として、また先の大戦では軍港として栄えた町である。その町に世界でも数少なくなったドイツの潜水艦”U‐Boat 995”が保存されているというのでわざわざ見に行ってみた。道に迷った挙句、キールから15kmも離れたLaboeという町の海事博物館にそれは横たわっていた。陸に上がった河童ではないが、想像していた迫力には乏しいものの、貴重な雄姿をやっと見ることが出来た。

実はこのU‐Boat、戦後は連合国のノルウェー政府が管理していたが役目も終わりドイツ政府に1マルクで買取を打診した。しかしドイツは威信にかけてこれを拒否、結局民間団体が間に入り今日の形になったらしい。隣接する博物館の地下は、ドイツ海軍の英霊を祭る慰霊碑が置かれてあったが、そんな海の魂が圧倒したのかも知れない。ともあれはるばる来た甲斐があった。

中々辿り着けなかったのは、地元の若い人に聞いても知らなかったり、今では人々の過去の記憶になっているからだ。街では夏のフェスティバルが催されていて、各国の屋台に多くのドイツ人観光客で賑わっていた。ここでも、戦後は遠くなりにけり!

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