Sunday 17 July 2011

通貨不安とギリシャ人

また通貨不安が再燃し始め、ドルは80円を割り込み、ユーロも110円近くまで安くなってきた。背景の一つは、言うまでもないがギリシャ問題だ。3つのD(Debt, Default, Devalue)懸念を抱え、年金など財政改革が中々進まないでいる。そもそもユーロ導入時の数字も怪しかったらしい。日本の政権交代ではないが、昨年発足した新政権が統計を見直しこれが発覚したという。

昔ギリシャ人の部下がいたことがあった。髭を蓄え船乗りのよう風貌で、貫禄はあったがラテン系の多い社内ではよく同僚と衝突した。その原因は妥協を許さない強い個性と、何か異なるロジックだった。ある時、年1度の査定面談があった、私は彼に「今年は何を会社に貢献してくれるのか?」と聞いた。すると思わぬ応えが返ってきた。それは「ところで、あなたは私に一体何をしてくれるのか?」と。これには参ったが、往々にしてこの手のやり取りが多かった。

ユーロ圏は西欧の大きなクラブである。クラブには共通した価値観と信頼が大原則で、それを支えるのがキリスト教である。多くの国がカソリック、プロテスタントに対し、ギリシャは異端のギリシャ正教だ。どうもこの違いが問題を難しくしているような気がしてならない。

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