Monday 25 July 2011

ノルウェーの乱射事件

先週、ノルウェーで起きた銃乱射は大きな事件だった。ビル爆破と含め、93人もの若い命が亡くなった。勿論、戦後最大の惨事だった。真相はまだ分からないが、犯人と極右グループの関係から一つは移民問題と云われている。ノルウェーは1人当たりのGDPでは世界一であり、これを支えるのが移民である。最近はパキスタン、イラク、ソマリアといったイスラム圏から入ってくる人が多く、人口の1割がイスラムになってきた。また隣国スウェーデンも、イラン、イラク、レバノンといったイスラムが増えていて、3番目の都市パルメの人口の1/4はイスラム教徒だという。

ヨーロッパへの移民は、フランスのアルジェリア、ドイツのトルコ、オランダのインドネシア等何も今に始まった話ではないが、近年とみにこのイスラム圏が肥大化している。例えばパリの町を歩いてみると、ここは中近東かと錯覚する程だ。問題の根は深いし複雑だ。正にハンティントンの云う「文明の衝突(Clash of Civilizations)」があちこちで加速している。先日のFIFA女子サッカーでも、"Say No to Racisum(人種差別反対)"の垂れ幕を選手が持ってアッピールしていたが、こうした世情を反映している。

事件のもう一つの背景は家庭環境のようだった。容疑者の父親はロンドン在住の外交官で、彼が生まれた時には既に前妻との間に3人の子供がいた。加えて母親が直ぐに国に帰ってしまったので、父親と2人で暮らすようになった。その幼少期をして、父親という社会への敵意が助長したと。ともあれ国自体の抱える多くの問題を凝縮しているだけにショックも大きかった。

1 comment:

E.M said...

ブレイビック容疑者は「移民を認めず独自の文化を保持する日本と韓国を見習え」と主張していたそうだが、この事件は日本の将来にとって極めて印象的です。曽野綾子氏がつまる処「イスラムは家族主義が行動の中心だ」と分析している通り、仮に日本がイスラム圏から移民を許容した時、八百万の神(アニミズムとシンクレティズム)の日本の規範とイスラム文化が共存できるのでしょうか。日本が超高齢化社会を迎えるにあたり、イスラムだけでなく他国からの移民を受け入れる事の是非は、真剣に考えなければならないですね。どの道を進むにせよ、日本国民の汗や犠牲、忍耐が必要であるのだが、「民意絶対」と云う戦後の教育で培った「剥ぎ取り民主主義=おもらい民主主義」「ポピュリズム」が蔓延したこの国は、この後多難なる事でしょう。我々の世代は充分高度成長の余韻をエンジョイしたのだから、東北地震を奇禍として、子供たち世代の為に国家100年の計を持って、大幅増税、憲法改正、教育改革を行うべきと私は信じています。