今日は9.11、あれからもう10年になる。あの日のことは今でも良く覚えている。当時、NYのウォールストリートにあるN社の日本法人で働いていた。夜になるとNYの本社と交信する。例によって同僚が電話をしていたかと思うと、「あいつ、突然電話を切りやがった!」と怒鳴っている。何度掛けても通じない。その日は夜遅く近くのレストランで食事をし、家に帰るとあの映像が飛び込んできた。
暫く経ってから、本社のC社長がその日の出来事をリアルに伝えてきた。事態を察して直ぐに海沿いに逃げたことや、その後の犠牲者への心情など。従業員に一時金を出して、「これで家族と食事をして下さい、せめても明るいひと時を!」と励ましたり、ボランティアに奔走したのを聞いて、アメリカ人らしいハートも感じた。
例のトレードセンタービルにはその前年に訪れていた。最上階のF社は、応接に置いたルノワールなどの高級美術品で客を出迎え、(高さが)世界最高の美術館と豪語していた。そこにたどり着くまで、1階の受付で身分証に貼る写真を撮るだけでも30分も掛かった。万全を期していた筈のビルだった。事故があってから、階段を降り九死に一生を得た友人もいる。月日の経つのは早いものだが、まるで昨日のようだ。
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