Thursday 8 September 2011

集落のない景色

当地の田舎をドライブすると、「景色が変わらないのでつまらない」という人が多い。どこまで行っても森と野原ばかりで、肝心の村がないからだ。ドイツ人の荘園制度の下、農奴だった時代が長かった影響で、今でも群れずに住む習性がある。森の中に入ると、こんなところに家が建っていると驚くことが良くある。これを分散村(Hajaküla)と言い、国の形になっている。

こちらの人に寂しくないのかと聞くと慣れっこだという。治安はいいし、いざという時は猟銃もあるので心配ないらしい。それより、好きな時に釣りやキノコ採りは出来るし、馬や犬との伸び伸びした生活は代え難いものがあるという。考えてみれば都会で住む方がよっぽど大変かも知れない。孤独な群衆という本があったが、他人の視線に晒されながら生きる都会は孤独が付き纏う。その点自然は厳しいが優しい、何より四六時中変化する景色は人を飽きさせない。

日本では北海道がここに似ている気がする。TVドラマ「北の国から」で描かれた富良野の世界だ。中々真似するのは難しいが、どこか不思議な魅力がある。

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