Wednesday 28 September 2011

ドナルド・キーン氏の帰化

日本文学の大御所であるドナルド・キーン氏が日本に帰化するという。日本人以上に日本のことを知り、長年住み慣れた日本とはいえ、89歳でこうした決断をしたことに驚いた。週刊誌によると、日本の医療、特に聖路加病院の体験が決め手になったようだ。普段疑問視していた日本の医療であったが、これを契機に再認識もした。

日本人は老後ハワイなど、海外に移り住む人は多い。ただ最後は畳の上で死にたいと、引き揚げて来る人も多い。この辺、島国民族の習性かも知れない。また本人はいいと思っても、伴侶がノーと云えばそれで終わりだ。その点、キーン氏は生涯独身の身軽さもあったのかも知れない。

アメリカの仕事をしていた時に、マイグレーション(Migration)という言葉があるのを知った。「移住」という意味だが、古くは欧州からアメリカ大陸へ、西部開拓史では東から西に、そして現代では東西海岸から南へ、アメリカ人は常に移動を続けている民族である。土地に縛られないアメリカ人と、土地に縛られる日本人、その違いは大きい。キーン氏にもそうした血が流れているのだろう。

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