Monday 5 September 2011

モーリーマロンの歌

今週はやけにアイルランド人が多い。夕方から旧市街のアイリッシュパブ「モーリーマロン”Molly Malone”」を占領し、大挙して気勢を上げている。おそらくフットボールだろうと、聞いてみると案の定、エストニアとの試合を見に来たという。ただアイルランドでなく(英国領)北アイルランドだと、「北」を強調する。

その内、アイルランド民謡の演奏が始まったかと思うと、大男が代わる代わる踊り始めた。腕を後に組んでステップだけで踊る独特のダンスだ。皆楽しいそうである。北アイルランドはアイルランドなのだと言っているようにも聞こえる。それにしても、長く抑圧された歴史から、どうしてかくも軽快で陽気なリズムが生まれるのか理解に苦しむ。

一番盛り上がったのは、店の名前の”Molly Malone”の歌が始まった時だ。Molly Maloneは17世紀の魚売りの女性で、貧しい人にも魚を分け与えたところから、誰もが知っているアイルランド民謡になった。貧しさから立ち上がる不思議な旋律がある。隣り合わせたリバプールから来たという英国夫婦も大きな声で熱唱し始めた。アイリッシュとイングリッシュの関係、よそ者には分かり難い。

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