紅葉が深まる、芸術の秋である。リニューアルしたエストニア歴史博物館を覘いてみた。行ってビックリ、ガランとした一部屋と地下だけで展示品は殆どない、気短な人なら5分で見終ってしまう。それでもって入場料は5ユーロもした、パリのオルセー美術館でも8ユーロなのに。
ただこれにも次第に慣れてきた。エストニアだけでなく、ラトビア、リトアニアのバルトの国々は、400年もの間ロシア(ソ連)に支配されたので、金目の物が残っている筈はなかった。またそもそも自前の王国も無かったので、文化と呼べる歴史的な遺産など無いのである。あるのは旧KGB本部、ソ連とドイツの占領博物館、収容所跡など、暗い過去の関係ばかりである。そう云えばポーランドもそうだった。
歴史博物館のタイトルは、生存への執念(Spirit of Survival)である。パネルには、「我々はヨーロッパの中で最も不幸な歴史と、厳しい気候の中に生きてきた民族である。こうして生きていること自体が幸せである」と書いてあった。今更だが、時として目に見えない物の方が迫力があったりする。
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