Wednesday 4 May 2016

ジェフリー・アーチャーの「時来たれり」

ジェフリー・アーチャーの最新作が出ているというので早速アマゾンで取り寄せた。例のクリフトンシリーズで、今回で6冊目になる。今年で5年目になり、正直意地で読んでいる。今回のタイトルは「時来れり(原題:Cometh The Hour)」である。実は既に次作が11月に発売されることも決まっており、タイトルは「これが男だ(原題:This Was A Man)」である。どちらもソ連の反体制作家を指している。本ではアナトリー・ババロフだが、ノーベル賞を取る件からソルジェニツィンがモデルのような気がする。

物語は相変わらず愛と憎しみが渦巻く中、クリフトン一家が誠実に生きる姿を描いている。国際色も豊かで、一度はハニートラップに合ったソ連娘を救出したり、息子がインドの女性と逢引する件もある。ただ最後はどちらの女性も死んでしまい伏線がない。悪役のバージニア女伯爵もアメリカの親戚を頼り金策に行く。こうした血縁は英国ならではだ。

日本にこの原書が入って来るのは夏頃、それから翻訳版が出るのが秋頃、つまりその頃には次作が出版されている。暫しタイムマシンに乗った気分で、書店で並ぶ近未来が目に浮かぶ。

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