Thursday 9 November 2017

消えない記憶

昨今はAI(人工知能)の話題で持ち切りだ。明日の労働を担う救世主のような論評が多いが、正直良く分からない。そんな矢先、遂に死んでから生き続けるAI技術が開発されたという。それは脳の信号を読み取る「機能的磁気共鳴画像法」とかいう機能で、生前個人の記憶を記憶させておけば、死後もそのデータを使って同じような会話が出来ると言う。勿論その時には本人はこの世にいなので、ロボットが代替するが、改めて色々な事を考える人がいるものだと思った。

暫く前だったか、ある病気に掛かると、人は消えるはずの記憶が消えない事を知った。普通の人であれば時間と共に記憶は薄らいで、段々遠い昔の事になって行く。ただその病気に掛かると、新しい体験が古い記憶を上塗りする機能がなくなり、古い思いがずっと残ってしまう。特にトラウマになった嫌な記憶程、鮮明に残るらしい。ヒトはそもそも嫌な事を忘れて、僅かな楽しいことだけを大事にするから生きて行けるのに、それはあんまり残酷である。その時、一生過去のトラウマと決別できない人の気持に思いを寄せた。

そんな人間の摂理に反する開発が進んでいるのはナンセンスである。科学は人の幸せのためにあるのに、全くそれと逆行している。やっている人は、その事に気が付かないのだろうか?

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