Wednesday, 2 September 2026

東野圭吾にチャレンジ

 暫く前に東野圭吾さんが亡くなった。若い人なら誰もがファンの人気作家だった。売り上げだけでも、一億冊を超えているというから驚きである。

ただ最近の作家は軽くて薄い先入観がある。「どうせ読んでもガッカリするのがオチだろう!」と思っているから手にしない。でも世間の評価も気になったので、これを契機に片っ端から読み始めた。やはりその感はいがめない。

「容疑者Xの献身」は数学教師の偽装殺人である。好きな女の為に身代わりになる話で、事件後に第二の本当の殺人まで犯してしまう。直木賞も取った作品らしいが、普通なら女が事件を犯した時点で自首を勧めるのが定石だと思った。

「秘密」もそうだ。交通事故で亡くなった妻が生き残った娘の中に宿り、成人するまで夫と3人で生活する物語である。心温まる話だったが、やがて事故を起こした運転手の妻やその息子との交友が始まる。スウェーデンシンドロームではないが、被害者が加害者遺族に寄り添うなんてあるのだろうか?

「ダイイングアイ(Dying Eye)」は交通事故を起こしたひき逃げ犯二人が、カネと社会的地位と交換に身代わり犯になる話である。最後は死んだ被害者の怨念で事件は明るみに出るのだが、普通は警察の実況見分や事情聴取の過程でバレそうなものである。

「夜明けの街で」は中年男が不倫する話である。中年の妻子持ちが女にアプローチされれば、「変だな?」と思うのが常である。それをズルズルと利用され、女の事件のわき役に使われる。結局他殺でなく自殺だったり、中年女が自身にナイフで突き刺すなんて出来るのだろうか?

「変身」は脳移植された男が、ドナーの性格に変身して行く話である。その過程で殺人までしてしまうのだが、これはジェイソン・ボーンからヒントを得たのだろうか?

ただ「悪意」は良かった。有名作家になった男が、やはり作家の元同級生に殺害される事件である。加害者はその犯行の筋書きを作るのだが、それは本当の動機を隠すためであった。彼は中学時代に不良仲間に入って悪行を働いた心の闇があった。その闇を消すのは分かるが、果たして他人まで消す動機になるのだろうか?

「探偵ガリレオ」シリーズもあった。殺人はプラズマ、衝動波、超音波、ナトリウム、ネオジウム磁石など、理科系のトリックで行われる。福山正治のドラマは面白いかも知れないが、そんな専門知識を使えばすぐにバレそうなものである。

こんなケチばかり付けていると若い人に嫌われる。それを承知でもう少し頑張ってみたい。ここまでやっと10冊ちょっと、全部で100冊もあるというので先は長い。

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