Monday 7 September 2015

チャンと天安門事件

錦織選手のお陰でテニス番組が増えてきた。テニスファンには有難い限りだ。彼を支えるのがコーチを務めるマイケル・チャンであった。マイケル・チャンは台湾出身のアメリカ人、17歳の時に1989年の全仏オープンで優勝したレジェンドである。

全仏は赤土のクレーコート、体力的にも一番厳しいと云われるグランドスラム、高校生と同じ年齢の彼がタイトルを取ったから凄い。伝説に残ってるのは4回戦のレンドル戦だ。当時NO1 のレンドルに対し粘りに粘った。極めつけは最終セットのアンダーサービス、プロではありえないこの1打が攪乱した。マッチポイントも常識を覆すポジショニングでダブルフォルトを誘った。

実はこれと前後して中国で天安門事件が起きた。中国の自由化を巡り、戦車の前に一人立つ男がいた。そんな彼とチャンが重なり、世界中が応援したものだった。当時はたまたま中国の仕事をしていた。毎晩遅くまでこの全仏のTVを見ていたら、早朝電話が鳴った。出ると上司のYさんからだ・・・事件で予定していた出張が中止になったという。あれから26年、Yさんもお元気だしチャンも健在だ。そして中国も当時のまま、何も変わっていない。

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