Monday 7 May 2018

鈴ヶ森の処刑場

そのコータッツィさんは、我々でも知らない当時を紹介していた。例えば富士山、最初に登頂したのは初代駐日領事のオールコック(Rutheford Alcock)だった。開国前の幕府の反対を押し切って登ったようだ。しかも女連れで、登頂に8時間、下山に3時間10分掛かった。その速さは今と殆ど変わらないスピードだった。それからアイス、当時江戸で計画したサーカスの動物が暑さで死んでしまった。その為、中国の天津から氷を輸入したが、それが今の冷蔵庫の起源らしい。またフランスパンも、その頃初めて製造された。

中でもリアルだったのは、当時の刀世界の実態だ。明治維新に先立つ1861年、芝で東禅寺事件である。その寺は、オールコック他が滞在した公使館で、攘夷の水戸藩士によって夜半衝撃された。オールコックは幸い一命を取り留め、駆け付けた幕府軍に助けられた。ただ翌朝になると、28名の両軍の死傷者が横たわっていた。賊の首も3つ転がっていて、彼はそれに躓いたという!極めつけは大森の処刑場、鈴ヶ森である。横浜に向かった一行は、そこの3名の晒し首の一人に見覚えがあった。あの時襲って来た藩士の顔だったからだ!普段血の出ないチャンバラを見慣れた世代にとっては、中々リアルだった。

そして最後は混浴である。江戸時代まで日本は男女が風呂に一緒に入っていた。西洋人に言われる迄は、恥ずかしいと思っていなかった。そんな柔らかな文化も、いつの間にか無くなってしまった。中々逆戻りは出来ないだろうが、のどかな時代だった。

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