Saturday 5 May 2018

シアトルの思い出

シアトルマリナーズのイチロー選手が、今季はプレーしないという。野球に詳しくないのでよく分からないが、本人は未踏の記録を狙っていた感じもしたので残念だ。誰でもいつか終わりは来るものだが、それにしても突然の発表だった。

そのシアトルだが、遥か昔の学生時代に訪れたことがある。2か月掛けて、全米の国立公園をグレイハウンドバスとヒッチハイクで廻った。今から思えば長時間の移動をよく辛抱したと思うが、そんな旅の終わりに寄ったのがシアトル市だった。歩いていると、偶然レストラン紅花(Benihana)を見つけた。慶応高校のレスリング部を中退して渡米した、ロッキー青木が始めた店である。焼肉の店で、シェフのパーフォーマンスが素晴らしく、それはまるで武士の刀捌きのようで、当時は大変な人気を博していた。久しぶりに食べるコメの味は格別で、何杯もお代わりした。それを見ていた日系人のシェフが声を掛けてくれた。彼は「自分にも君と同じような子供がいる」と、親切にも息子さんを呼んでくれた。

その息子さんは地元のワシントン大学の学生で、その日は彼の運転する車で、大学などを案内してもらった。その時、ワシントン州の経済の話が出た。彼は、「ここの州は、最低賃金より失業手当の方が高いので、誰も働きたがらないんだ!」と教えてくれた。そんな素晴らしい町があると知って驚いた記憶がある。今でも失業率は9%台で全米9位と高い水準だが、そんな数字とは裏腹に、人々の豊かな生活を想像してしまう。

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