Sunday 20 May 2018

ヌーディストの鑑賞会

初代駐日大使のH.コータッツ氏の「維新の港の英人たち」を読むと、当時日本にやってきた欧米人達が、江戸時代の混浴文化にとても驚いていた様子が分かる。男女が一緒に風呂に入り、人前に裸をさらけ出すのを見て、羞恥心がなく野蛮で低俗と言っている。それを切っ掛けに幕府も混浴を禁止してしまった。しかし今から思えば余計なお世話としか思えない。

ところでこの春、パリのパレ・デュ・トーキョー(Palaris de Tokyo)で、ヌーディスト向けの
鑑賞会が開かれた。自然の気持ちで芸術に触れてもらう企画らしいが、如何にもパリらしい出来事だった。元々夏になるとセーヌ川にはその類の人が集まる場所がある位だから、本人達にとってはどうって事ないのかも知れない。因みに正式には彼らをナチュラリストを呼ぶ。そんな自然愛好家が、どうして他国の文化にケチを付けたのだろうか?しかもアフリカは良くて、なんで極東の日本が駄目だったのか?全く理解できない。

ただパリのナチュラリストと言っても、実際はホモやゲイが多いのが特徴だ。勿論中には普通の男女もいるかも知れないが、元市長も自身のゲイを公言しているお国柄だから、驚くには至らない。パリにはその人達が集まる場所がいくつかある。例えばそのセーヌ川のプールサイド、夏になると避暑地に行けないゲイ・ホモの憩いの場になる。またチュエルリー公園の中にあるオランジュリー美術館の一角や、凱旋門から西に伸びるオッシュ通りなども有名だ。それに対し日本は何と健全な国だったのだろう!裸の付き合いって言葉がある位だ。その象徴が壊されたのが悔しい!つくづくそう思う今日この頃である。

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