Thursday 17 May 2018

スロベニアへの移転

英国がEUを離脱する事が決まって久しい。本当に離脱するのだろうか?英国に拠点を置く企業は不利になるのだろうか?将又ロンドンのシティーは消滅するのだろうか?正直、良く分からない。そんな中、安川電機が英国内の工場をスロベニアに移す記事が目に留まった。スロベニアは昨年のバルカン旅行で訪れたから懐かしかったし、安川電機もいい所に目を付けたと思った。

スロベニアは、旧ユーゴスラビアが分裂した時に出来た国である。その後、セルビア、ボツニアなどが政治的に停滞する中、いち早く準先進国に仲間入りし、今では一人当たりGNPが20000ドルを超えている。その理由は偏に地理的要因にある。国境をイタリアとオーストリアの西側と接しているためである。ソ連崩壊後にいち早く独立を果たせたのも、そんな関係でアメリカが多大な援助をした。旅の途中、その時の功績を湛えた陸軍博物館を偶然訪れた。多くの戦車が陳列されていたが、何よりアメリカへの感謝の気持ちで一杯の博物館だった。

そのスロベニアは、一言で言うと「緑の多いガランとした国」である。その意味する処は、然したる名所旧跡、歴史的な建造物がなく、観光客にとってはつまらないからだ。特に長く続いた社会主義の煽りで、昔から続く商店街がない。それは配給制の弊害で、バルト三国や旧ソ連の旧主国に共通した風景である。だから町を歩いても生活の営みを感じられないが、最近ではモダンな店が目に付くようにようになった。イタリアなどと違って、人々の意欲も旺盛だ。いい選択だったと思う。

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