Thursday 10 May 2018

火事の功名

私も火事に会った事がある。自宅ではないが、引っ越しの時の荷物が全焼してしまった。引っ越しを終えてホテルに移った。翌朝電話が鳴り、引っ越し会社から「倉庫が全焼しました」と連絡が入った。その時は何が何だか分からなかったが、暫くして荷物が届かなくなってから、段々と実感が増した記憶がある。段ボールで100箱以上あったから、損失も大きかった。

その時分かったのは、ヒトはモノと一体だという事だった。ヒトはモノが無くなると、拠り所を失ってしまう。モノを通して記憶が蘇り、歳は取るけど朽ちない過去が残る。だからヒトの成長にはモノが不可欠である。いい例がポーランドである。長い歴史の中で、その多くが他国の支配下にあった国である。確かに民族は生き延びたかも知れないが、歴史的な建造物、芸術品が破壊、霧散して殆ど残っていない。そうなると、人々は振り返る鏡もないから即物的な国民性になってしまう。バルト三国や韓国なんかもその類なのかも知れない。

反面いいこともある。またゼロから始めるしかないので、不思議な力が出て来ることだ。明治時代や太平洋戦争後の勢いは、江戸の大火や本土の空襲で多くの家屋を失った裏返しである。勿論火事に合わないのに越したことはないが、命があれば又何とかやっていけるものだ。そう思うしかないのだが・・・。

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